20代はノーキャリアプラン?やりたいことを考える前に行動すること


近年、転職も一般的なものになってきおり、20代の頃からキャリアプランを考えて行動している人も多いのではないでしょうか?自分転職市場での価値を上げるためには、どの業界のどの職種で、どのようなスキルを身につけておくべきか等、戦略的に20代を過ごしているビジネスマンも目にします。そして、その”戦略的なキャリアプラン”を描くためによくやりがちなことが、”自分は何をやりたいのか”を考えることです。しかしながら20代でやりたいことを考えるのは本当に有意義なことなのでしょうか?

今と昔の時代の差

そもそも社会人になってやりたいことを考えるようになったのは、ごくごく最近のことだと考えられます。戦後の貧しい時代は”食べるために仕事をして稼ぐ”、”家族を養うために仕事をする”ということが基本でした。そのため、当然自分のやりたくないことも仕事であればやることが当然でした。しかしながら、だんだんと豊かになってくると仕事を選択する自由も増え、”生きるため”ではなく”自己実現のための手段”として仕事が捉えられるようになってきました。自分が何をしたいのかを仕事で実現しようとするという考えはこのような流れで近年になって生まれてきたものです。

やりたいことを考えることの弊害

20代のうちにやりたいことを決めて、それに向かって計画を立て進んでいくということは一見すると、とても理にかなったやり方にみえます。その反面、弊害もあります。経済学者で東大教授の玄田有史氏も著書「ニート」の中で以下のように書いています。

そもそも、やりたいことがない、っていうのは、本当にそんなにダメなことなんだろうか。私は、そう思わない。やりたいことなんてなくてもいい。むしろないほうがいいとすら思っている。あんまり自分のやりたいことに凝り固まってしまうと、自分もまだ知らない、本当の自分のやりたいことを、見のがしてしまう。

玄田氏が指摘しているように、やりたいことに固執しすぎてしまうと視野が狭くなってしまい、広い視野で自分のやりたいことを見つけられないという可能性もあります。

20代のうちはとにかく行動!やってみるしかない

それでは玄田氏が指摘している本当にやりたいことはどのようにしたら見つかるのでしょうか?そのヒントとなるのがノーベル物理学賞を受賞した小柴昌俊氏の言葉です。

やりたいことが見つからない、と言っても、先生は教えてくれない。おじけづかないで、どんどん新しいことを試してみることだよ。自分で試して体験してみないと、それが自分に合っているか合っていない、やりたいかやりたくないかもわからないでしょ。やりたいことが見つかってからやるんじゃなくて、見つけるためにまずは何かやってみるだよ。だからとにかく新しいことを試してみなさい。そうすると本当に自分がやりたいことが見つかるからね。

本当に自分がやりたいことを見つけるためには、自分のこれまでの経験や知識からではなく、自分が体験してみて実感したことから生まれてくるものなのです。特に学生から社会人になったばかりの20代は、仕事というものをそれほど経験していないのに、仕事で何をしたいのか?なんて分かるはずもありません。そんなことを考える前に、まずは目の前のことに精一杯取り組み、そこで自分が実感したことの中から本当に自分のやりたいことを見つけ出していくのです。

①must→②can→③will

本当にやりたいことを見つけるためには、

①must(しなければいけないこと)

②can(できること)

③will(やりたいこと)

の順番で仕事をすすめていくことです。社会人になりたての頃はまだ何も出来ないので、とりあえず目の前にあるやらなければいけないこと(must)を着実にこなしていくこと。そうするとできること(can)が増えてくるので、そこで実際に体験・実感してみること。そしてようやく自分のやりたいこと(will)が浮かび上がってくるのです。20代のビジネスマンは、まずは頭のなかでキャリアプランを描くのではなく、ノーキャリアプランで行動することに徹してみると本当にやりたいことが見えてくるはずです。