「理性・感性・本能」の矛盾~コミュニケーション能力向上


~第1回 相手のことを理解するために知っておくと良い「理性・感性・本能」の矛盾~

 

前回、コミュニケーション能力を高めるためには①理解力②判断力③表現力を高める必要があると書いた。

今回は①理解力(理解力:相手の感じていること、考えていること、言わんとする事を理解する能力)について具体的にどのような力なのか、高めるためにどのようなトレーニングがあるのかということを書いていきたい。なお、下記は学術的にはかなりばっくり書いているが、実用上を考えてかなり端折っている。

詳しく学びたい方は「心理学」などの文献をあたっていただきたい。

 人の「考え」には階層があり、それぞれの「考え」は時に矛盾する

まず、人の考えていることといった時にいくつかの「階層」があることを知っておかねばならない。

より深いほうから順に

  1. 本能:動物として自己の生存や種の保存のために働く「考え」
  2. 感性:いわゆる「感情」。好き嫌いやベースとして人間が社会で生きるための「考え」
  3. 理性:いわゆる「論理」。人間生活で表面に出ていることが多い。

である。

注意しなければならないことはこの階層間で考えていること、感じていることは時に矛盾する。矛盾した場合、大抵はより深い階層の「考え(理性より感性、感性より本能)」が優先されるということである。ものすごくわかりやすくいうと「明日が締め切りなので今晩中にこの仕事を仕上げなければならい」と理性で理解していても「ものすごく眠い」と本能が感じていれば「今、やっても効率は上がらないから寝てしまおう」と理性が曲げられて寝てしまう。これは本能と理性の矛盾を本能ベースで解決した事例である。きっと同じようなことをした記憶があるだろう。

理性より、感性、感性より本能、より深い「考え」の方が優先される。

より深い「考え」の方が圧倒的に行動への影響が強いのである。コミュニケーションにおいてもこのことを理解していないと誤った理解をしてしまう。理性ではAと言っているが、感性がBと言っている場合、言葉尻だけを捉えるとAだと勘違いしてしまうが、実際にはBの行動がとられる。言葉は理性と結びつきが強く、表情やしぐさは感性との結びつきが強い。相手の言葉を理解するときはその言葉だけでなく、声の調子や表情、その時のしぐさなどまで勘案しないと正しく理解することはできない。よくいう「言っていることとやっていることが違う」は、こういった理性と感性や本能との矛盾の結果起こることも多い。もちろん、最初から騙すつもりで言ってもやらないという人もいるので全てが上述のような状況ではない。

前置きが長くなってしまったので本題は次回に譲ろうと思うが、こういった「階層がある」ということは頭に入れておいていただきたい。