コミュニケーション能力の高め方 判断力


前回までコミュニケーション能力の土台となる理解力についてお伝えしてきた。

【参考記事】

コミュニケーション能力を向上させるために 第2回 理性の考え」を理解する

コミュニケーション能力の高め方 理解力-2.感性の考えを理解する方法「実践編」

コミュニケーション能力の高め方 理解力-3.本能の考えを理解する

「自分は理解が苦手だ」と感じる方はまずは理性への理解力からトレーニングされることをオススメする。感性や本能の理解も大事ではあるが、言葉として表面に出てくるものの方がわかりやすいし、表面に出てくる時点で本能や感性の影響を受けているからそれらの要素もある程度含まれている。まずは質問力を高めるところから始められるといいと思う。

コミュニケーションの第二ステップ 「判断」

さて、今回は「相手のことを理解した上で何を伝えるか」を判断する「判断力」のフェーズについてご説明しようと思う。

判断力も最終的には経験値がものを言う世界だから、多くの人と多くのコミュニケーション機会をもつことで学んでいくしかないということは変わらない。

が、セオリーはあるのでこれを知っていると知っていないとでは大きく「学び」のスピードが変わってくる。下記のような順序で考えていくと適切なコミュニケーションを選びやすい。

「伝えるべきこと」を考える順序

  1. コミュニケーションの目的を確認する ex) 今会った初対面の人と仲良くなりたい
  2. 相手の状況・伝えていることを理解する ex)相手も仲良くなりたいと思っているようだ
  3. 伝えるべきメッセージを考える ex)私も仲良くなりたいと思っています
  4. 伝わるメッセージの形を考える ex)質問をして相手に興味を持っていることを伝える
  5. その伝え方をした場合にどうなるかを想像する ex)気持よく答えてくれて親密感が増すだろう
  6. 想像した結果と目的が合っていれば実行する。合っていなければ別の方法を考える ex)親密感が増す=仲良くなるだからこれでいこう

やったらどうなるか?を想像するには経験が必要

コミュニケーションと一言で言っても実際にはこのような流れで人はどうするか判断している。当然、これらは感性的に瞬時に判断されてしまうので「考えている自覚がない」場合がほとんどだ。判断力のトレーニングはこの流れを一つ一つ丁寧に考えながらやることだ。経験が必要といったのは「これを伝えたらどうなるか?」はあまりにも多くの可能性がありすぎて経験的に学ばざるをえないからだ。

子供は5~6をせず、思いついたまま発言することも多いが、多くのコミュニケーションを経験することで「嫌な反応が返ってくるコミュニケーション」を避けるために5~6をすることを学ぶ。これはほとんどの人が成長の過程で学ぶことだが、この時の学習内容が偏った経験を元にしていると大人になった時点で「間違った予測に基づく間違った判断」をしてしまうことになる。なんとなく「嫌だ」とかなんとなく「こう言いたい」という自分の感性の判断が実際の状況に合った判断なのかを理性の目で一つ一つ確かめていくと、意外と想像していたことと別のことが起こったりするのだ。

例えば、子供の頃、友達に自分の意見をいうと嫌な顔をされたり、喧嘩になったりという経験を多くした人がいるとする。当然、大人になれば(もちろん相手にもよるが)自分の意見を言ったくらいで喧嘩になることはまずない。だが、感性の学習というのは恐ろしいもので「自分の意見を言う」というシチュエーションになると10年以上の前の記憶が蘇り「喧嘩になって嫌な思いをするに違いない」と自分の言動をやめさせようとする。

感性の判断を理性の目で一つ一つ確認することで適切な判断をし直すことができる

こういう時に前述の1~6を丁寧に行い、「目の前の相手とは自分の意見を言ったくらいで喧嘩にはならない相手だ」と冷静に判断できれば「自分の意見を言う」ことができるようになるのだ。このように、相手のことを理解したうえで、自分の言動によってどうなるか、想像し、適切なコミュニケーションを見つけることが判断力の根幹である。いかんせんこの「どうなるか想像する」部分や「どのような伝え方・伝える内容があるか」といった選択肢をもつ部分は経験によってしか身につかないといっても過言ではない。どのようにして学んでいくかを自覚することで成長のスピードは上げることができるのでトレーニングの際に思い出していただければ幸いである。